【実録】不倫で傷ついたハイスぺ女子に迫る、悪徳商法の魔の手。傷ついた心につけこむ悪いやつらに注意しろ。

当記事は小川健次個別コンサルティングを通じての実話を基に、登場人物や各背景にフィクションを交えたものです。なお掲載に当たり、当事者本人による許諾は得ています。
※過去の関連記事集はこちら⇒【実録】男と女の事件簿

あらすじ

不倫で心が深く傷ついたハイスぺ女子が、立ち直って新たな道を歩みはじめようと思って参加したセミナー。それは、悪徳商法の入り口でした。本来の冷静さをもってすれば、すぐにその怪しさを理解できる彼女が、なぜそこで高額な金銭を支払いそうになってしまったのか。私は絶対大丈夫。そう思っていても、心の隙間や、傷につけこまれてしまうと、人は簡単におかしな道へと入っていってしまうもの…

■高額な起業セミナーへの誘い

財閥系商社で総合職として働く美穂さん（３７歳／仮名）が、ある女性ブロガーが務める起業セミナーに参加したきっかけは、友人に誘われたことがきっかけでした。

誰でも簡単に起業ができて、億万長者になることも夢ではないという、そのセミナー。明るい色のスーツに身を包み、積極的で前向きな女性ばかりが、１００名ほど参加していたそうです。

講師は言います。皆さんはもっとキラキラできる。会社に雇われて自分を殺しちゃダメ。私の教えに従って起業すれば、好きなことをやりながら、愛もお金も思いのままにできる。

終了後の懇親会では他の参加者の女性たちの、美しさや意識の高さに圧倒されつつも、美穂さんは強く思うようになりました。私もあの講師のもとで学べば、こうしてキラキラ女子の仲間入りができるかもしれない。これで私も変れるかもしれない。

そうして、数度に渡って同じ講師のセミナーに参加しているうちに、美穂さんは、参加費100万円を超える上級講座へ参加するよう、熱心な案内を受けるようになりました。

ぜひ受講したい。そう思いながらも、金額も高額であることから、美穂さんはなかなか踏ん切りがつきません。

やがて、意を決っして上級講座に参加することに。しかし、今の貯金を使うことには、抵抗があります。そこで美穂さんが選択したのは、利用目的自由の銀行のローン。インターネットで融資の申込みをし、審査がＯＫとなったところで、再び迷いが生まれます。

■実態は調べればすぐにわかるほど杜撰

美穂さんからの相談を受けた私が、そのブロガーとセミナーについて調べてみると、その内容が次のようなものであることがわかりました。

実態としては詐欺同然の情報商材ビジネスの勧誘であるということ。高額の研修を受講した後に、さらに商材代金を支払うが、その商材の内容はネット上ではよく知られた、ありふれたものであるということ。すなわち無価値。

さらには、その後も二重三重の集金システムとなっていて、美穂さんのような女性を狙って、金銭を搾り取ろうとすることが目的。

どう贔屓目に見ても、その内容では到底、起業して成功できるとは思えないものです。その仕組みについて、美穂さんに説明をしました。

それを理解した上で、そのセミナーに参加することは美穂さんの自由です。そこまで話したところで、彼女は納得して、受講を取りやめることにしました。

このように、少し調べてみれば、それが真っ当ではないことがわかるにも関わらず、なぜ美穂さんはそのような講座を受講しそうになってしまうのでしょうか。

■不倫で傷ついた心を癒す場所を探して

美穂さんは都内の有名私大を卒業後、一流といわれる商社へ就職。同年代の女性と比較しても高い年収。スラっとした長身のモデルのような体形に、美しい顔立ち。芸能事務所のスカウトに声をかけられたことは、一度や二度ではないそうです。

会話も論理的で明瞭。ハキハキした物言いと、相手を気遣う丁寧な言葉遣いからは、知的さも感じます。

すでに、圧倒的キラキラ女子に思える美穂さんが、友人の誘いに応じる形とはいえ、それまで無関心だった、このようなセミナーに参加したのには理由がありました。

実はその数週間前に２年間続いていた不倫相手にフラれたからでした。そのときに、妻とは別れると、ずっと言っていた彼の言葉が、嘘だったことも発覚。

そのショックに、今のままの自分ではいけない。何かを変えなくては、そんな衝動に駆られたのです。

日常に大きな不満があるわけではない。むしろ、仕事にやりがいも感じているし、プライベートも充実もしている。

それでも、時折、ひょっとしたら、自分一人では何もできないのではないか、自分は表面上ほどの価値がない人間なのではないか。という漠然とした不安に駆られることは誰にでもあります。

そして自分を肯定できない、自分に自信を抱けないでいるタイミングで、あなたにはもっと価値がある。あなたはもっと輝ける。そんな言葉を言ってくれる人がいると、その人を信じてしまいがちになるもの。

■心の隙間に入ってくる不倫男と悪徳商法

さまざまな要素が重なって、自己肯定感が低くなっているときに、不倫男や悪徳商法のセールスマンから、褒められたり、認められたりすると、最初はその気が無かったとしても、ついつい心はそちらのほうへと流れてしまうのです。

そして、冷静になって考えてみれば、おかしいとわかることさえ、見落としてしまい、気付いたときには後戻りできなくなってしまいます。美穂さんのケースは、この典型で、不倫男にも同様のパターンでハマり、彼がいなくなった心の穴埋めとして、悪徳商法があったのでした。

さて、高額セミナーへの参加を取りやめた美穂さん。銀行融資も即座にキャンセルして事なきを得ました。そして、時間をかけて自己肯定感の低さも克服。

その後、冷静に地に足を着けて、起業のための準備を開始。商社での経験と人脈を生かして、小規模ながら貿易ビジネスをスタートさせることができました。

もともと高いビジネスセンスを持っている美穂さん。ビジネス開始後にいくつかの難局もありましたが、それらを乗り越え、売上が軌道に乗るまでさほど時間はかかりませんでした。

その後、スタッフも増員し、されにはビジネスパートナーとして出会った、年下のドイツ人男性とも結婚。今では経営者として、そして母親としても満たされた毎日を送っています。

＜まとめ＞

不倫男と悪徳商法はメンタル落ち気味のときには近づくな
自分の価値を高く持てば、手痛い思いはしなくなる
楽して稼げる起業はない

状況を冷静に判断する力を高める、個別コンサルティング

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