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【実録】男の嫉妬が面倒くさいのには理由がある。キャリア女子は、なぜ理不尽な上司に負けなかったのか。

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【実録】男の嫉妬が面倒くさいのには理由がある。キャリア女子が組織で生き抜く方法。

当記事は小川健次個別コンサルティングを通じての実話を基に、登場人物や各背景にフィクションを交えたものです。なお掲載に当たり、当事者本人による許諾は得ています。
※過去の関連記事集はこちら⇒【実録】男と女の事件簿

あらすじ

男性の嫉妬によって、キャリアの道が閉ざされてしまいそうになる。理不尽な上司からの要求は、まさに男の嫉妬によるものが原因でした。そんな事態に遭遇したキャリア女子が取った行動とは。男性心理を紐解きながら、面倒くさい男の嫉妬への対処法の一例を紹介する…

転職先で順調なステップアップ

君のように、キャリアも経験もあって、なおかつ自分で動ける人財はとっても貴重なので、前例や慣習、それこそ周囲の目を気にすることなく、どんどん企画を考えて実行してほしい。

2年前に大手IT系企業から、別の大手IT企業に転職した真由美さん(34歳/仮名)は、当時の配属先の石田部長(44歳/仮名)にそう言ってもらったこともあり、入社後にさまざまな企画を立ち上げ、その多くを成功へと導いてきました。

元々活発で行動的。思い浮かんだことは、すぐに形にしたいタチなので、流行の移ろいの早いIT業界での仕事は、真由美さんにとっては最適な環境だったそうです。

新卒で入社した最初のIT企業では、入社3年目で、ある企画の運営めぐって上司と衝突して退職。そして前職では5年間勤めたものの、担当役員と折りが合わないでいた中、取引先の紹介もあって転職。これが3社目です。

2度の転職を経たとはいえ、業界では10年以上最前線で活躍し、人脈も豊富な真由美さんは、どんどん業績を伸ばしていきます。

35歳までを自分のキャリアの重要期間と位置付けて、全力でひた走る真由美さんに対して、会社は入社からわずか1年で、真由美さんを課長職へ昇格させるという待遇で応えてくれます。

納得のいかない出来事の元凶

さらに、社交的でリーダーシップも発揮できる真由美さんには、自分のチームだけでなく、他部署からの支持者も多く、多少のことで、真由美さんの足を引っ張るようなことは、できない空気ができあがっていました。

そんな真由美さんが、妙な違和感を覚え始めたのは、課長職に昇格してから半年を過ぎたくらいの頃からでした。

真由美さんの企画が通らないことが多くなったのです。仮に通っても、大幅な方向転換を迫られたり、予算規模を削られたりして、真由美さんの考えがほとんど反映されないものばかり。

さらには、真由美さんが現在進行しているプロジェクトのキーマンとして重大な役割を担っている部下二人に、突然の転属辞令の発令。

何より驚いたのは、企画の差し戻しや変更、部下の転属の指示を出していたのが、すべて石田部長だったことです。真由美さんにはそれがとても納得できませんでした。

石田部長に真意を聞きたいと思って、何度か面会の希望を伝えますが、いろいろな理由をつけられて逃げる石田部長の態度に、真由美さんの不信感はさらに高まっていきます。

過去2回、上司とのコミュニケーションが原因で転職をした真由美さん。また同じことを繰り返して、ここでも会社を辞めることになるのか。なぜ、そうなってしまうのだろうか。そう思い悩んでいた時期に、真由美さんは私のもとを訪れたのでした。

理不尽な要求への対応

これまでであれば、勢いに任せて、そのまま会社を飛び出してしまっていた真由美さんでしたが、こういうときこそ感情に流さず、冷静な対応をするのが一番です。

まず、石田部長との面会を望んでいるものの、それが叶わなくて困っている旨を、石田部長の上司である本部長に相談。本部長には詳しい話しをせずに、面会のセッティングの仲介のみをお願いすることにしました。

そうして実現した石田部長との面談ですが、そこで石田部長が不機嫌そうに発した言葉の意味を、真由美さんは最初理解できなかったそうです。

君は、スタンドプレーが過ぎて、周囲との調和が取れていない。他の社員からも君への不満がたくさんきている。しかもパワハラ的言動もあるらしい。以前の職場はそれで良かったのかもしれないが、うちにはうちのやり方がある。君のそういう逸脱した行動に私は懸念を感じている。

戸惑いながらも、調和が取れていないとはどういうことか。たくさんの不満とは、何人の人間がどのように言っているのか。そもそも、慣例慣習は気にするな。そう言ったのは石田部長ですよね。そう問い質す真由美さんに、石田部長はムッとした顔で真由美さんに、こう言い放ちました。

君は俺の指示に従ってさえいればいい。文句があれば辞めるのも自由だ。女のくせにこれ以上いきがるな。

キレそうになる感情をグッと押さえ、そのまま面会を仲介してくれた本部長のもとに行き、石田部長の発言内容を報告。本部長は石田部長と同じ認識なのか。また、部下2名の転属について、直属の上長である自分は聞いていないが、それも承知しているのか。と確認したのでした。

すると本部長は、驚いた様子で、そんな認識はしていない、部下二名の転属辞令についても石田部長から、それが真由美さんからの強い要望であると聞かされていたので了承した、と答えてくれました。

その本部長の回答を受けて、真由美さんはさらに、石田部長との面談内容、本部長との会話内容を、メールにまとめ、人事担当役員と人事部担当者充てに報告したのでした。

嫉妬する男性の心理

後日わかったことですが、石田部長は、真由美さんのチームだけが結果を出すも、部門全体での結果が出ないこと、石田部長自身の目標が未達成であることなどについて、役員たちからかなり厳しい締め上げを受けていたそうです。

さらに、ある役員会議のときには、この際、部長を真由美さんに変えてはどうか。そんな意見まであったとのこと。

思えば、過去の職場で、真由美さんが直属の上司との折り合いが悪くなるのは、決まって、真由美さんが結果を出して周囲からの評価が上がり始めた時期でした。

それまで応援してくれていたり、庇護してくれていたりした上司が、突然手のひらを返したように、横やりを入れてきたり、足を引っ張っような態度に変わっていったりするのでした。

組織の中での位置関係にこそ、自分の価値を見出す男性にとって、優秀な女性部下は、ときに自分の居場所を破壊しにくる、脅威であり、嫉妬の対象になってしまうのです。

また、序列の中にこそプライドと生きがいを感じている男性にとっては、その序列で自分の前に入られる不快感や、追い抜かれることによる不安は、女性が思う以上に大きいのです。

その意味でも、真由美さんは、これまでの上司からみると脅威だったのでしょう。

とはいえ、その男の論理に真由美さんが従わねばならない理由はありません。恭順か退職か。その二者択一に限ってしまわずに、冷静になって、状況を冷静に見極めつつ、手順を踏みながら、周囲の人の力を借りることで、解決できる問題もあるのですから。

ところで、真由美さんは現在、石田元部長が座っていた席に部長として座っています。そして石田部長は、関連子会社の役員として出向されたそうです。


<まとめ>

  1. 男性上司からの理不尽の要求には、周囲の力を借りよう
  2. 男性は自分の立場を脅かす存在を、排除したがる
  3. 男性の嫉妬はタチが悪い

当記事は小川健次個別コンサルティングを通じての実話を基に、登場人物や各背景にフィクションを交えたものです。なお掲載に当たり、当事者本人による許諾は得ています。
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著者プロフィール

小川 健次(おがわ けんじ)

株式会社リエゾンジャパン代表取締役
社団法人感覚刺激と脳研究協会 理事

1973年9月20日生まれ。
国内最大級の自己啓発企業にて、21年間に渡ってマーケティング部長、代表取締役副社長、事業開発部長などを歴任後、2016年6月1日より株式会社リエゾンジャパン創立。同時に代表取締役就任。
世界中の成功哲学をはじめ、潜在意識活用法、引き寄せの法則など、様々な成功法則や自己啓発技法に精通。21年間で3万人を超える指導実績をもとに、脳科学と心理学からのアプローチにより、個人と組織の行動変容と定着化を可能にするスペシャリストとして活動。
同時に、ビジネスにおける企画立案・編集・デザイン・実施まで、アイディアを形にするだけでなく、売れる仕組みの構築や、事業戦略の策定など、中小企業を中心としたマーケティング戦略を総合的にプロデュースする。
また、上記のかたわら、引き寄せの法則を実践することにより、関東近県を中心にした不動産投資事業を展開。心に思い描いたイメージを実現している。
東京都杉並区在住 既婚。子供なし。トイプードル一匹あり。牛乳嫌い。

■連載コラム
小学館が運営する、働く堅実女子のお悩み解決サイト『スーツウーマン』にて、【恋とキャリアの上方修正】を連載中。

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